会長挨拶

「第56回成人病学会(生活習慣病)学術集会開催に向けて」  東海大学医学部付属八王子病院 副院長・脳神経内科教授 野川 茂

2023年1月14日(土)、15(日)の両日、第56回学術集会を都市センターホテルで主催させて頂くことになりました。伝統のある本学会の学術集会を開催させて頂くに当たり、小田原理事長をはじめ理事の先生方および関係各位に御礼を申し上げます。COVID-19パンデミックはまだまだ収束が見えない状況ではありますが、なんとかその使命を全うしたいと考えております。どうか皆様の暖かいご支援をお願い申し上げます。

ご存知の通り、第55回学術集会は2021年1月に開催される予定でしたが、都下でのCOVID-19の蔓延のために1年間延期されました。本学会では、全ての「non-communicable disease」を対象とするとされていますが、皮肉なことに、「communicable disease」であるCOVID-19のコントロールなしには、生活習慣病の克服も困難であると思われます。

さて、我が国は既に2010年に世界に先駆けて「高齢化率」が21%を上回る「超高齢社会」に突入し、2025年には30%に達しようとしています。高齢になっても地域で生き生きと生活するためには、「メタボリック・ドミノ」の最終到達点である ①認知症、②脳卒中・循環器病、③フレイル・サルコペニア・ロコモ、および④がん、をいかに予防・克服するかが重要な鍵を握っています。

今回の学術集会開催に当たり、様々な領域の先生方が所属しておられる本学会の学際的な強みを最大限に生かし、さらなる健康寿命延伸をめざすことを考えました。メインテーマを「ウィズ・コロナ時代の超高齢社会を生き抜く」とし、シンポジウムとして、①がん関連合併症、②超高齢社会と認知症・フレイル、③糖尿病治療update(糖尿病療養指導士講習)、④職場における頭痛対応と新型コロナ感染症対策(日本医師会認定産業医研修会、2点)を取り上げる予定です。

本学術集会は、COVID-19の感染状況にもよりますが、現時点では招聘講演は現地での口演(web視聴可能)で、一般演題は現地での口演のみで行う予定です。安全に、深く、楽しく、「実学としての生活習慣病学」を学べる学術集会にしたいと考えておりますので、医師はもちろんのこと、幅広い医療スタッフの皆様のご参加をお待ちしております。どうかよろしくお願い申し上げます。